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残り火2nd stage 第3章:青いワンピースと葵さん11

Author: 相沢蒼依
last update Last Updated: 2025-11-04 07:22:41

「いんやぁ、えらがったな! 井上っ」

俺よりも背の低い船長さんは背伸びをして、穂高さんの頭を両手でわしわしっと撫でまくった。

「当然ですよ。千秋に手をあげ――」

「違うんだ、穂高さん。あの人は康弘くんのお父さんなんだよ」

「えっ!?」

「フェリーから知らねぇ男さ降りて来たら知らせるように、母ちゃんに言ってあったんだけどよ」

船長さんの言葉に、ハッとさせられる。

俺がこの島に来たときも、いきなり漁協のおばちゃん達にわーっと囲まれて質問攻めにあったのは、こういう理由があったからなんだな。

「葵さん、旦那と別れるとき、すげぇ苦労したって言ってたからよぅ。きっと追っかけてくるんじゃないかって、みんなで踏んどったワケでさ」

「俺が康弘くんと一緒に帰ってる最中に、偶然そこで出逢ったんです。あの男が葵さんのことを訊ねてきたのでピンときて、慌てて康弘くんを逃がしたんですよ」

「……そうだったのか。引き留めようとしていたから、千秋はあの男に抱きついていたのか」

感嘆の声をあげた穂高さんに、呆れ顔をするしかない。

「必死に止めに入ってたのに、あのタイミングで絶妙な勘違いをしてくれちゃって」

「とにかくあの男を一度引き上げにゃあならんから、井上はロープを持ってこい」

崖下にいる男に、3人揃って見下ろしてやった。相変わらず何かに掴まろうと必死になって、あたふたしながら泳ぎまくっている。

船長さんに返事をして踵を返した穂高さんの背中を見送っていると、同じように頭をがしがしっと撫でられてしまった。

「おとーとも、えらがったな。ケガはしてないのけ?」

「はい、お蔭さまで。穂高さんが来てくれたので、大事にならずに済みました」

「そっか。アイツでもタイミングよく、役に立つときがあるもんなんだな、アハハ」

大笑いする船長さんに向かい合って、しっかりとお辞儀をした。

「船長さん寝込んだ際には兄弟揃って、大変お世話になりました。ありがとうございます!」

「いいって、いいって。船に乗ってるヤツは、家族も同然なんだしよ。しっかし、こんだけおとーとがしっかりしていたら、あんちゃんがダメになるのが分かる気がしてきたぞ」

「いえいえ、 とんでもないです……。あんな兄ですが、これからもよろしくお願いします!」

俺がここにいない間、船長さんにはたくさんお世話になるんだから。

そう考えて、しっかり挨拶
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